「そんなのしけてるぜ!!もっとCOOLにキめネェと」


レターがうつろな目でしゃっくりを繰り返す
笑いながらしゃっくりを繰り返したせいで
激しくむせながら、それでも笑いが止まらない



―ニチヨウビノオレタチ―




所々モノクロでしか写らないイカれたTVが
蝶ネクタイの通販の男を映す
男が大袈裟な身振りで通販の宣伝をしてる最中だった

掃除機の先に付けた機械に
頭をすいあげられ笑っている大馬鹿なモデルが大写しになると
部屋中に狂ったようにニックの笑い声が鳴り響く


「ヘイ!見て見ろよ頭を吸われて笑ってるぜ。知ってるか?俺の予想は、こうだ!この後こいつは頭の中の脳味噌まで吸い上げられて、頭ごとしぼんじまうのさ!司会者が慌てて風船みたいにまた空気をいれて、そこでBANGだ!」


ピストルをこめかみに当てる真似をしてニックが死んだふりをする
ご丁寧に白目までむいてソファから落ちてみせるニックに
レターはまたがって馬乗りになった


「その後はドウナル?くわれちまうのか?」
「レターお前の脳味噌腐ってんだろ?Hey!!こんなCOOLな日曜日が今まであったか?」


ニックの口癖でもある”COOLな日曜日”というのは
別に本当の日曜日ではない
薬が手に入った日の事
ただそれだけだ


「足りねぇな。全然イケテネェ」


ニックはレターの腕を勢いよくバシバシ叩いて麻痺させると
シリンジをくわえて封を切る
レターの腕に針をさすと血液がちょっぴり逆流して赤くなった

静脈に流れ込むドラッグのせいでレターの身体が
微かに痙攣し痛みに眉を顰める

抜き去った針を舐めるとニックはまた笑い出した

即効性のあるドラッグは途端にレターにも効用し
レターも何もかもがおかしくなって笑った


「最高だろ?レター。慣れないうちは少ししたら吐き気がするけどゲロっちまえばまた夢心地だぜ」
「ニック俺達はマリアかケネディかどっちだ?」
「どっちでもねぇ。いかれたジョージ・スパイカーさ」
「そりゃいい」


互いの脈打つこめかみを震わせながら胸を上下させた
ニックは煙草のフィルターをかみ切って直接煙を灰にいれる
爪の中に食い込んだ葉がとれないままに蓄積すると爪を噛んだ

かちかちと爪を噛む音

TVでは通信販売が次の商品を紹介している

半分がモノクロ画面なため司会者は愉快なピエロにみえた
まるでBATMANのTWOFACEだ
煙草を吸い終わったニックはレターの身体を床に押しつける


「ハイになろうぜ」


レターも力を込めてニックと体勢を逆にしようともがく
しばらく二人でそうしているとレターが突然口を押さえた


「やべぇ、吐きそう」
「トイレ!トイレ行って来いっ」


慌てて駆け込んだ洗面所から激しく嘔吐する声が響く
よろよろと立ち上がるとニックも様子を見に行った
洗面所の扉の鍵は、
このまえニックが壊して使えない
ドアをあけるとレターが便器の前で苦しそうに吐いていた


「ニック、あっちいってろよ」
「平気さ、すぐにおさまるって!レター。せっかくのパーティだ。まだ終わらないぜ?」


レターの背中を軽く叩くとニックは自分に向き直らせる


「お前の顔にゲロかけるぜ?」
「OK、そんなのかまわねぇ」


にやりと笑うとレターは口を拭ってタイルの上にニックを押し倒した


「油断大敵っ」


そのままニックのズボンを引き下ろしガブリと噛みつく
ニックが笑いながら悲鳴をあげる


「ゲロ吐いた口でフェラかよ、きったねぇ」
「もとからそんなにお綺麗じゃねぇだろっ」
「ばーか、俺のちんちんは世界一お高貴なんだぜ」


ニックはそう言うとレターの頭を押さえつける
レターは喉の奥にあたるそれに再び吐き気を催し
涙を浮かべた


「しっかり味わえよ。最高の前菜だろ」
「ディナーは俺が頂くからなっ」
「美味しすぎて涙がでたか?レター」


皮肉に笑みを浮かべてニックが馬鹿にする


「生理現象だ。おかげさまで堪能させて頂いてるぜ」


レターの舌がニックのそれをぺろぺろと舐め回し立ち上げる
時々わざと歯を立ててニックを覚醒させる
ニックは恍惚とした表情で
消えかかってじりじり音をたてている裸ランプを見上げた
その視界はぐるぐると回っている
のびたラインが何周もしていた
まるでメリーゴーランドだ


「レター最高~」


そう言って笑うニックは
言葉が終わらないうちにレターの口の中に勢いよく射精した


「ばかイくときはいえよ~!飲んじまっただろ!」
「またゲロする?」
「しねぇーーー」


ニックが目を一瞬とじた間にレターはおかしなメロディを口ずさむ
リズムはあってないようでどことなく懐かしいような曲だ
これは毎度の事レターの音痴は世界中の人間が知ってる
前に一度きいた事があるような気もするがニックは思い出せなかった


「いくぜーー」


歌が終わってレターがニックにつっこもうとする
またさっきの部屋での続きだ
いつもSEXするのに時間がかかるのは
今日はどっちがつっこむかの問題のせい
1+1=2以上に簡単だが
二人には大問題だ


「待て!今日は俺にゆずれ、レター」
「やなこった。前菜の次はディナー。メインディッシュになれ、ニック」


狭い洗面所のタイルがやけに冷たく背中にあたる
排水溝にたまった髪の毛が目の前にせまる
ちょうどあった剃刀の刃が視界に入ると
錆びたそれをニックは掴みあげた
にやりと刃を揺らす


「今日ユズらねぇと、てめぇの大事なちんちんちょんぎるぜ?」
「相変わらず卑怯で可愛いな。愛しすぎるぜ?ハニー」


そう言うが早いか剃刀をニックから取り上げて力一杯投げると
かみそりは便器の中におちて沈んでいった
切れたレターの手のひらから血が滲む
ぺろりとそれを舐めると唇が真っ赤になった
売春婦のようにいやらしく舌を出すと血を舐める
そしてレターは悔しがるニックの尻に一気に突き立てた


「いってぇ!!!火花がちったぜ」
「これで。12戦7勝。俺がリードだな、ニック」


レターが痛がるニックの尻に容赦なく叩き付ける
ニックが声にならない声をあげる


「負け犬の叫びか?ニック、もっと叫べよ」
「ばか、それを言うなら負け犬の遠吠えだろ?脳味噌くさってるぜレター?」
「どっちだって、負けは負け!」


大笑いしながら二人は腰を動かす
薬の相乗効果でぐるぐるしながら二人は狂ったようにSEXをした
途中便器に頭が当たろうが排水溝に指が嵌ろうが
しったこっちゃない
どうせ頭がぐるぐるしてるんだし

そんな事より虹色の世界はCrazyでHappyなのだから
これ以上の楽しみはない
ニックのスパムがタイルに巻き散り
レターがニックの中に放出すると
呼吸困難寸前といった様で二人はタイルに寝ころんだ

シャツが汗で嫌な感じでへばりついていた


「……ハァ……ハァ……ニック。明日は……どうする?」
「明日?……、ハァ……ポーリーの店で特性のハンバーガーでも買って、一晩中ポーカーでもするか」
「OK。ハンバーガーはピクルス抜きでな……」
「俺はパン抜きで」
「それ!!ハンバーガーじゃねぇし」


落ち着いてきた息と交換で二人にはサキュバスの迎えがくる
部屋の中からはつけっぱなしのテレビがしぶとく鳴り響いていた
二人にはもう聞こえなかったけど


幸せな顔してニックとレターはタイルに転がっていた
見てるのは裸ランプだけ








END