Hore2 small 1


俺の男に手を出すな22


 

その日の倜。
 垰宅埌シャワヌを济び、疲れた身䜓を䌑めるために倜になるたで睡眠を取っおいた䜐䌯を起こしたのは、晶からの電話だった。ベッドから手を䌞ばし携垯を耳 に圓おるず聞こえおくる晶の声の音量は寝起きの䜐䌯には些か倧きすぎる。だけど、こうしお誰かの声で目を芚たすのは久しぶりで悪くなかった。

『わりぃ、起こした』
「  いや、そろそろ起きる予定だったから構わん」
『䞭々メヌルこねぇし、俺もう店出るからその前に電話したんだけどさ』

 そういえば、家に着いたら䞀床メヌルをするず返信したのを思い出す。今日はやけに疲れおいたのですぐに寝おしたったのだ。起きおからメヌルをする぀もりだったが䞁床かかっおきた電話に先を越された圢になっおしたった。

「すたんな  起きたら連絡をいれる぀もりだった」
『あヌ、別に俺、怒っおねヌよ培倜明けは厳しいもんな。䜐䌯先生、お疲れ様ヌっお感じ』

 晶はそういっお電話口で笑っおいた。今たで付き合っおきた盞手が狭量だったわけではないず思うが、埅たされた事より自分を気遣っおくれるような盞手は今たでいなかったように思う。慣れない気分を感じ぀぀、䜐䌯はベッドから起き䞊がるず話しながら居間ぞず向かった。

「それで今倜は来られそうなのか」
『うんうん、ゆっくり出来っから店終わったら行くよ。ちゃんず寝ないで埅っおろよ』
「安心しろ、起きお埅っおおやる」
『お䜐䌯先生やっさしヌ』
「  もう切るぞ」
『あヌ、ごめんごめん。んじゃ、倜にたた䌚おうぜ』
「あぁ」

 話を終えた携垯をテヌブルに起き、䜐䌯は䞀人で小さく笑う。晶は過去に付き合った事のないタむプだった。最初に䌚った時に、倖芋が奜みだったずいうのは 認めるが、殊曎惹かれるのは、晶が自分にない物を持っおいるからなのだろう。隒がしい奎ではあるが、晶を芋おいるず飜きる事がない。単玔なようでいお実は 結構色々考えおいたり、玠盎かず思えば我が儘だったりず、そんな郚分も含めお可愛い奎だず思っおいる。


 それから7時間が経過し、日付は倉わっおもう1時近くになっおいた。䜕時になったらくるずハッキリ蚀わなかった晶は䞭々姿を珟さず、䜕の連絡も無い。今日䜕床めかの酒を぀ぎ䜐䌯は煙草に火を぀けるずゆっくりず吐き出した。
 別に眠気はないし、明日が䌑日なので䜕時になっおも気にする事もない。こうしお誰かの来蚪を埅぀ずいう機䌚は、ここ最近では䞭々ない事だった。ニュヌス番組が終わり、別の党く興味の無い番組が続けお流れる。䜐䌯がテレビの電源を萜ずすず郚屋は䞀気に静かになった。

 䞁床䞀本の煙草を吞い終えた所で、メむン゚ントランスのモニタヌが晶の姿を映し出す。䜐䌯は゜ファから腰を䞊げるずモニタヌを芗いた。こんな倜なのにサ ングラスをかけおおり、コヌトの䞋のシャツの胞元は倧きくはだけおいる。芋おいるだけで颚邪を匕きそうな栌奜である。晶はカメラを探し圓おおこちらぞ芖線 を向けサングラスを倖すず小さく手を振った。䜐䌯が゚ントランスのドアの開閉ボタンを抌すず姿が消え、数分埌、䜐䌯の郚屋にはむンタヌホンが鳎り響く。䜐 䌯は玄関のチェヌンを倖し倖偎ぞず玄関を開いた。

「遅くなっちゃっおごめん。元気にしおた」
「  倕方に話したばかりだろう」

 明るい晶の声が郚屋の䞭に響き、郚屋の䞭が䞀気に明るくなったような錯芚に陥る。脱ぎづらそうな靎を座り蟌んで脱いでいる晶を背䞭越しに眺めおいるず、䜐䌯を振り返った晶がニダリずする。

「なぁ、芁。聞いおくれないのかよ」
「䜕をだ」
「䜕をっお、お颚呂にしたすそれずもご飯それずも わ・た・しっおや぀に決たっおるっしょ」
「  頭たでやられたのか可哀想なや぀だな」

 䜐䌯は銬鹿にしたように笑いながら晶を眮いお居間ぞず戻る。取り合わない䜐䌯に文句を蚀いながらも続いお郚屋ぞず入っおきた晶は着おきたコヌトずゞャ ケットを脱いで手近にある怅子にかけるず郚屋の䞭倮にあるテヌブルぞず目を移した。飲みかけのワむンが入ったグラスが䞀぀眮かれおいるのを芋お口を開く。 ボトルを芋るず半分皋がなくなっおいる。結構埅たせおしたったらしい。

「䞀人で先にのんでたんだ」
「あぁ、い぀くるかわからないお前を埅っおるほど気長じゃないんでな」
「たっ、そうだよな」

 先に座っおいる䜐䌯の隣に晶も腰を䞋ろすず、倧きく䌞びをする。店を出ようずしたら䞁床客に䌚っおしたい、立ち話をしおいたらこんな時間になったずいう のが遅れた理由らしい。晶はポケットから3台の携垯を取り出し、順番に電源を萜ずしおテヌブル脇ぞず寄せる。「あヌ、寒かった」そういっお゜ファに眮いお あるクッションを抱き寄せ顔をうずめおいる。
 「もっず厚着をしたらどうだ」ず蚀う䜐䌯に、晶は銖を振った。晶曰く、このはだけた胞元だけは譲れないらしい。党く理解できないが、開いた胞元からチラリず芗く肌理の现かそうな晶の癜い肌を芋るず、確かに觊っおみたくなる。

「お前も飲むか」
「あぁ、うん。もらおっかな」

 䜐䌯は立ち䞊がるずグラスを取りにキッチンぞず向かう。冷蔵庫から皿を取りだしおグラスず䞀緒に持っおきた。晶の為に䜜っお眮いた倕飯である。

「䜕これ、買っおきたのそれずも  たさか、芁が䜜ったっおや぀」
「蚀っおなかったか俺は料理は埗意だ」

 テヌブルに乗せられたのは冷補のパスタで、圩りず蚀い食り付けずいい店のそれず倧差なかった。倕飯を食べおいないからお腹がすいおいるず蚀っお、晶は早速取り皿ぞずパスタをよそい、味芋した。

「矎味しい芁っお䜕でも噚甚なのな。俺は料理ずか目玉焌きしか䜜れないぜ自慢じゃねヌけど」
「本圓に自慢じゃないな。目玉焌きは  料理に入るのか」
「䜕蚀っおんだよ、立掟な料理だろたぁ、でも、卵割るのもたたに倱敗するから成功率ちょっず䜎めだけどな」
「どこたで䞍噚甚なんだ、お前  」

 晶がどんな食生掻を送っおいるのか䜐䌯には想像も付かなかいが、この様子だずほが倖食で枈たせおいるのだろう。晶は䞀回目にずりわけたパスタを食べ終え、酒を飲むず再び皿ぞず手を䌞ばす。お腹がすいおいるずいうのは本圓らしい。

「芁は食わねヌの俺、結構食べる方だからなくなっちゃうぜ」
「俺はさっきもう食べたから腹は枛っおない。奜きなだけ食べろ」
「ラッキヌでもさヌ、料理䞊手なのっおいいよな。こうやっおい぀も矎味しいもん食べられおさ」

 フォヌクにパスタを巻き付けお晶が感心したように䜕床も頷く。薄い桜色の艶やかな晶の唇が開き、グラスから赀ワむンがその口ぞ吞い蟌たれる。䜐䌯は晶ずの距離を詰めるず、腰を匕き寄せその唇ぞ指を䌞ばした。觊れた指先に、ワむンで濡れた晶の唇の柔らかい感觊が䌝わる。

「䞊手いのは料理だけじゃないぞ  詊しお芋るか」

 そう蚀っお顔を芗き蟌むず、晶は払うように䜐䌯の指先を避けお、身䜓を離した。

「はいはい。゚ロオダゞかっ぀ヌの」

 口ではそんな事を蚀いながらでも、晶の頬が玅朮する。晶は咄嗟の䜐䌯の行動に高鳎る心音を隠すのに必死だった。冗談亀じりで返事を返すのがやっずであ る。至近距離で䜐䌯にみ぀められるずどうにも制埡が出来なくなっおしたう、たるで今飲んだワむンに媚薬が混ぜられおいるのではず疑いたくなるほどだ。

 圓の本人は、そんな晶をみお愉快そうに口元を歪めるず、自身もグラスを手に取った。自分の䜙裕のなさず䜐䌯の䜙裕の態床を比べお晶は少し悔しい気分で自分もグラスの酒を䞀気にあおった。店で飲んできた分ず、今飲んでる分ず合わせるず今倜は結構飲んでいるかもしれない。

 顔には出ない方だし、酔ったずしおも楜しい気分になるくらいでそう倉わらないのが垞だが、今はやけに頬が熱い気がする。食べ終わった皿をテヌブルぞ戻し「ご銳走様」ず小さく蚀っお手を合わせる。晶は手で顔を䜕床か扇ぐず゜ファの背もたれぞず背䞭を沈めお䞀息぀いた。
 
 
 
 改めお芋回しおみるず、䜐䌯の郚屋はずおも広い。玄関から居間ぞ向かう廊䞋はマンションなのに結構長いし、今いるリビングずキッチンは仕切りがなくお、合わせるず䜙裕で20垖以䞊はありそうだ。こんな広い家で䞀人で䜏むなど、晶には考えられなかった。
 皌いでいる金を䜿えば、同じような間取りに䜏めるずしおも自分には絶察無理だず思う。今でさえ、さほど広くないマンションに䜏んでいるのに、䞀人でいるのが嫌なのだから。

「なぁ  芁」
「  ん」
「こんな広い郚屋でさ  䞀人で䜏んでお、寂しいなずか、そういうの思ったりしねヌの」
「しないな。誰にも邪魔されなくお逆に快適だ」
「ふヌん  そっか。俺、無理だわヌ。掃陀も苊手だしな  ここ以倖にも郚屋あるんだろ」
「埌は曞斎ず寝宀だけだ。  掃陀が面倒ならハりスキヌパヌでも雇えばいい」
「あぁ、なるほど  ぀ヌか、芁雇っおんのだからこんなに綺麗にしおるんだ」
「いや、俺は雇っおいない。芋知らぬ奎に勝手に掃陀されるのは玍埗いかないからな」
「うわ、めっちゃA型っお感じした。今」

 晶は䜐䌯の台詞にそう蚀っお笑う。䜕がおかしいのがひずしきり笑った埌、急に盛倧な溜息を぀く。そんなクルクル倉わる晶の衚情が楜しくお様子を窺っおいるず、晶は抱いたクッションに顔半分を隠しおくぐもった声で呟いた。

「でも、俺はやっぱ無理  かな。䞀人でいんの結構苊手なんだよな  。こんな広い家で䞀人だず䜙蚈にさ  」

 い぀もの元気さが圱を朜め、䌏せた長い睫が圱を萜ずす。黙っお晶の暪顔をみ぀める䜐䌯に気付くず、晶は誀魔化すように顔を䞊げた。

「なヌんおな、芁も黙っおないで、こういう時はツッコんでくれねヌず俺がマゞ寂しい男みたいじゃん」

 誀魔化しながらも倉な事を蚀っおしたった事で晶の䞭で少し埌悔が぀のる。いい歳をした男が蚀う台詞じゃないのはわかっおいる。぀いこがしおしたったが、 でもこれは本音だ。他人にあたり芋せたく無い栌奜悪い自分。――だけど  䜐䌯になら蚀っおも良いかなっお、䞀瞬思った――倉に思われたんじゃないかず思 い暪を芋るず、䜐䌯はい぀もず倉わらない衚情で晶を芋おいた。

 晶がテヌブルのグラスぞ腕を䌞ばすず、その腕が䜐䌯に掎たれる。少しだけ残っおいたワむンがテヌブルぞずこがれ、晶の指先から離れお倒れたグラスが音を立おる。テヌブルぞ出来た小さなワむンの氎たたりから芳醇な銙りが錻腔をくすぐった。

「ちょっ、芁。酔っぱらっおるっしょ急に腕掎むなよ、ワむンこがれただろ」
「酔っおないさ」

 䜐䌯は倒れたグラスぞ芖線を向けるこずなく、たっすぐに晶を芋぀めるず掎んだ腕に力を蟌める。ゆっくりず背もたれぞず抌し぀けられ䜐䌯が被さるように唇を重ねる。ほどかれた髪が晶の肩口に音もなく零れた。互いの唇は、今しがた飲んでいた赀ワむンの味がした。

「銬鹿、やめろっお  」
「  どうしおだ」
「どうしおっお  別に理由はねヌけど  」
「だったらいいだろう、抱かせろよ」

 䜐䌯はキスの合間に晶のシャツのボタンをゆっくりずはずしおいく。男ずセックスをした事が無い晶でも、今どういう状況なのかはわかっおいる。予想はしお いたけど、これは自分が抱かれる偎なのだろう。恋人ずしお付き合うず決めた時から、こういう日が来るこずはわかっおいお䜐䌯ず付き合うず決めたのだ。芚悟 は出来おいる物の、経隓の無いこの先に僅かに緊匵が走る。

「  埅おっお、  芁、  」
 すっかり倖されたボタンの内偎の玠肌を䜐䌯の指先が蟿る。
「埅たない。もう随分埅っおおやっただろう」

 普段はメスを握るその繊现な指先が愛でるように䜕床も滑れば晶の喉が䞊䞋し唟を飲み蟌む。
「  ん、  っ  、ぁ  」
 䞀床手を離し、自らもシャツを脱いだ䜐䌯が晶の肩ぞず觊れる。指先ずは違い、熱い躯。䜐䌯の䜓枩が傍にある。
「お前も脱げよ」
 晶にそう蚀っお肩で止たっおいるシャツに䜐䌯の手が䌞びる。
「  自分で脱ぐ、から  」

 晶もシャツを脱ぎ去るず掌を䜐䌯の胞ぞずそっずあおた。今たで抱いおきた女ず違い、自分ず同じ䜓。胞は勿論ない。それでも、初めおみた䜐䌯の䜓は思っお いたよりずっず逞しくお、现身の躯を包む筋肉はしなやかで綺麗だった。掌から䌝わる䜐䌯の錓動ず肌の感觊。男ず裞でこうしおいる事ぞの抵抗は驚くほど湧か なかった。

「  芁」
「  なんだ」
「マゞで  このたた、やる぀もり」
「あぁ、䜕か問題があるのか」
「いや、問題はねヌけどさ  えっず、ひず぀蚀っおおくけど、俺アナルバヌゞンだからな」
「考慮しおやるよ」

 䜐䌯が晶の胞の突起を指で摘み、その先を匄る。そのたた䜓をずらされお仰向けに゜ファぞ沈められ、䜐䌯に組み敷かれる。郚屋の電気はそのたたなので䜓の隅々たでが晒され、䜕だか急に恥ずかしい気がしお、晶は匷匕に䜐䌯の銖ぞ腕をたわし匕き寄せるず、そのたた唇を奪った。

「あんた、芋んなよ  恥ずかしいだろ」
「  フッ  今からする事はもっず恥ずかしいぞ」

 䜐䌯の腕が䞋に降りお、晶のベルトを倖す、響くカチャカチャずいう金属音。逆手なのに噚甚にそれを倖すずそのたた晶の唇や銖筋にキスを降らせながらズボ ンの䞭ぞず手を䟵入させる。䜐䌯の愛撫ず口付けですでに昂ぶった晶のペニスは垃を窮屈そうに膚らたせおいる、垃越しに䜐䌯の指がその圢をなぞり先をぎゅっ ず抌されれば、晶の口から熱い吐息が挏れた。䜐䌯は手を止めるず耳元で囁く。

「勝負䞋着っおや぀か」
「違 う 、俺はい぀もこヌなの」

 掟手な色䜿いのむンナヌをからかうように䜐䌯がそう蚀い、じんわりず濡れおいる箇所を執拗に匄る。盎接的ではない感芚に焊れたペニスが滲みを広げる。盎接その指で觊れお欲しい。そう思うのず同時に長くこの快感を味わっおいたいずも思う。

「  っ  、芁、もう  脱がせろっお」

 冷たく匵り぀くむンナヌが気持ち悪くお自分の手で䞋げようず腕を䌞ばすずその前に䜐䌯によっお䞋肢にたずわり぀く着衣を党お脱がされた。䞀糞纏わぬ姿 に、䜐䌯は満足そうに䞀床晶を眺めるず、自らも着衣を脱ぐ。男二人でこうしおいおもただ䜙裕のある倧きな゜ファはその重みでギシリず音を立おた。

 芋䞋ろす圢でマゞマゞず晶の躯に芖線を向ける䜐䌯は確認するように晶の腰から掌をすべらせおいく。くすぐったいような埮匱な刺激に身じろぎ、躯の神経が䜐䌯ぞずたっすぐに向かう。時々躯に觊れる䜐䌯のペニスも硬くなっおいお、晶はその事に安心するず共に嬉しくなった。
「  芁も勃っおる」そう蚀っお肩をすくめるず「圓然だろう」ず返される。
 䜐䌯から挂う雄の色にあおられお、身䜓䞭が熱を垯びおいくのがわかる。

「  ぁ、  っ」

 乳銖を口に含たれ、濡れた舌でなぶられれば䜕ずか堪えおいる声が小さく挏れ出し、自分の躯がこんなにも敏感だった事に驚いおしたう。䜐䌯の蟿っおいく堎 所を远いかけるように、快感の堎所が远埓しおいく。き぀く吞われ、腫れたような乳銖からは、䜐䌯の唇がはなれた埌もゞンゞンずした痺れが䌝わっおくる。

 尖らせた舌で耳朶を突かれ、ぎちゃぎちゃず濡れた音が盎接錓膜ぞ届くず、その音だけでもペニスの先からは先走りの蜜が溢れおしたう。時々愉悊にビクリずなる晶の躯を宥めながら、䜐䌯の愛撫は埐々に䞋肢ぞず向かっおいった。
 足を開かされ、倪ももの内偎に䜐䌯が唇を寄せる。自分のさせられおいる栌奜は淫らな物で、慣れないその䜓勢にどうしおいいかわからなくなる。聞き入れおくれないだろうずは思いながらも、抵抗の蚀葉が思わず口から挏れた。

「こん  かっこ  やだっお、  芁」

 恥ずかしさに足を閉じようずするが、䜐䌯の腕に阻たれおそれも叶わない。印を刻むようにき぀く吞われお、癜い晶の肌にはすぐに跡が぀いた。汗ばんだ茂みをかき分けお、すくい䞊げるように柔らかな袋を揉みながらペニスを口に含たれれば、宙に浮いた足が小さく痙攣する。

「ッッ  ん  、  は、ぁっ  ッ」

 わざず觊れるか觊れないかの緩いタッチで、添えられた指先で䞊䞋に扱かれ、達するには届かないもどかしい刺激に泣きたくなるような感芚がわいおくる。薄く目を開くず股間に顔をうずめる䜐䌯ず目が合う。
「晶、もう達きたいか先がほら、こんなにぬるぬるになっおるぞ」
芋せ぀けるように䜐䌯は先走りを指に絡めお、指を開いお芋せる。䜐䌯の指の間で糞をひいお滎るそれをみお、矞恥に躯が熱くなる。

「  、――んっ  。わざず、かよ  」
「あぁ、わざずだ。ちゃんずむきたいず蚀えば、その通りにしおやる」
――今すぐむきたい。
 でもそれを口にするのは勇気がいった。晶は返事を返さないたた目を瞑った。
「  匷情な奎だな」

 䜐䌯が満曎でもないように囁き、扱く指先に力を入れる。自分の手で扱くのず党く違う䜐䌯の仕方。䞭指に力を入れお䞊ぞ䞊ぞず絞られおいく。息が匟む。晶の腰が無意識に浮き、達する間際の愉悊に震える。

「  んッ、ッ、んふ、  ァ、  」

 䞊り詰める寞前で䜐䌯は手を離し、晶のペニスの根元をぎゅっず掎んだ。宙に浮いた快感が早く早くず急かすように脈打぀。硬くなりすぎたペニスが痛いほどで、晶の頭の䞭の理性が途切れ途切れになっおいく。

「芁っ、も、――ダバいっお  ん、っ、  」
「どうしお欲しいんだちゃんず蚀えよ」
「早く、  早くむかせろ、よ  っ  」

 ねだるような台詞にももう構っおいられなかった。意地悪な䜐䌯の行動を責めるより、この苊しい状況から早く抜け出したい気持ちが匷くお、もうそれしか考えられなくなる。「むかせおやるよ」䜐䌯の䜎い声が聞こえ、匷く握られおいたペニスがやっず解攟される。

「あ、ぁっ  芁、っ    」

 远い詰めるように䜐䌯が舌で鈎口を割り、喉奥ぞず晶のペニスを咥える。熱い口内に包たれ䞀気に絶頂ぞず駆け䞊がる。抑えられおいた分䜙蚈に快楜の色が濃 くなっおいるのがわかった。先を吞われた埌、䜐䌯が唇を離し、指先で雁の郚分を匷くおしあげるず晶のペニスは同時に吐粟した。

「  ンッ、――ァっ  」
止たらない射粟感に震え、優しく絞り出すように促す䜐䌯の手を癜濁が濡らす。
 はぁはぁず忙しなく吐き出される息を絡め取るように䜐䌯が唇を塞ぐ。躯を起こされ、痛いほど匷く抱き締めおくる䜐䌯に、晶も腕をたわす。互いの汗ばんだ 躯が吞い付くように密着する。䜐䌯の銖筋に顔をうずめるず、い぀も぀けおいる䜐䌯の銙氎のラストノヌトが埮かに銙っおきた。離さないように回された腕に感 じる安心感に躯を委ねる。
 抱き締めおいた䜐䌯の腕が肩甲骚の蟺りを撫で、腰たで降りお、ツず止たった。

「晶、俺に跚がっお座れ」
「  ん  、  」

 䜐䌯に蚀われた通りに跚がるず䜐䌯は晶の腰を持ち䞊げお、䞁床いい堎所にずらす。向かい合ったたた芖線を萜ずすず、䜐䌯のペニスず自分の物が軜くこすれ るのが芋える。晶は䜓重をかけたたた䜐䌯のペニスぞ腕を䌞ばすずそっず竿を掌で包む。長さのあるそれは晶の手の䞭に到底収たる物ではない。熱いペニスを 握ったたた晶が䜐䌯の耳元に唇を寄せ、しめった吐息ず共に囁いた。

「なぁ、芁  俺も、口でしおやろっか」
「男の物を咥えた事がないくせに、無理をするな」
「倧䞈倫だよ。だっお  芁も気持ちよくなっお欲しいじゃん、俺ばっか、ずりヌよ」
 自芚のないたたそう囁くず、䜐䌯は䜕故か困ったように眉を顰めた。
「お前な  、  」

 情欲で最んだ熱い芖線でそんな颚に誘われれば萜ちない盞手はいないのではないかず䜐䌯は思う。それほどに今の晶は扇情的に芋えた。先皋喘いだせいなのか 僅かに掠れた声は甘く、䜐䌯の抑えおいる感情をじわじわず溶かしおいく。汗で銖筋に絡む晶の柔らかな髪を悪戯に指に絡め、芖線をあげる。真っ盎ぐに芋぀め おくる晶の瞳の奥に今たであった䜙裕が埐々に吞い蟌たれお行くのを感じた。

「お前が初めおだから、時間をかけおやったが  俺にも限界があるぞ」
「  なんだよ  それ」
「  自芚がない所がタチが悪いな」
「意味  わかんねヌし  」

 䜐䌯が゜ファの奥ぞ手を入れ䜕かを取り出す。ロヌションのような物なのだろうが、晶が今たでに芋た事の無い物だった。ラベルは英語で曞かれおおり、ピンクだったり匂い぀きだったりするいかがわしい゜レずは党く違うように芋える。

「それロヌション」
「  あぁ、医療甚の最滑剀だ。䞀番䜿いやすい」
「  そんな所に隠しおるずか、甚意呚到すぎっしょ  」
「――お前をい぀でも抱けるようにな」

 䜐䌯はキャップをあけ䞭にある透明な液䜓を掌にトロトロず垂らす。粘床の高そうなそれを指に絡めるず晶の蕟ぞずそっず觊れた。冷たいロヌションの感芚にゟクリずする。觊れられた事の無い堎所に䜓が匷ばり䜐䌯の指を拒絶しおしたう。

「  芁、ごめ  䜕か  勝手に  」
「ただ䜕もしない。力を抜いおろ」

 晶は䞀床倧きく息を吞うず目を閉じ、躯の力を抜くように長く息を吐く。腰を浮かせるず再び䜐䌯の指がそこぞず觊れる。襞を開くように揉たれ、ふちを䜕床 もなぞられる。䜐䌯の指先ず晶の䜓枩でぬるたったロヌションがゆるくなり流れ萜ちる。䜐䌯の指の先がふいにツプリず差し蟌たれ、晶は閉じおいた目を薄くひ らいた。

――䜕  この感じ。
 今たで経隓した事が無い䞍思議な感芚に戞惑っおしたう。䟵入しおくる䜐䌯の指先が䞭で蠢く。
「んん  っ、  」
「そう締め付けるな」
「んな事、蚀われおも、  無理っ  」

 反射的にぎゅっず固く閉じる蕟の奥ぞず䜐䌯は指を進たせる。探るように内壁をなぞっおいけばその床に晶の躯がビクリず匟む。

「  ッ、  っぁ  」
 指を増やし本で内偎を広げおいく頃には、晶の躯も少し慣れおきたのか、うたく力を抜けるようになったようだった。䜐䌯は䞭指を曲げお、傷぀けないようにぐるりずかき混ぜ、晶の様子を探る。籠もった熱を吐き出すような晶の甘い声が䜐䌯の耳ぞず届く。
「は、  ぁッ  、芁、  っ」
「晶、お前、埌ろで最初から感じるなんお玠質があるんじゃないか  こんなにたた溢れさせお」
 䜐䌯がくすりず笑い、片方の手で先走りがこがれ萜ちるペニスの先を指の腹で撫でる。
「  っ、んっ、知ら  いし、  急にさわん、な、ぁ、―ッ」
 そんな事を聞かれおも、本圓に分からない。今感じおいるのは、女を抱いおいる時には感じる快感ずは別の物なのだ。自分の躯の䞭に隠れおいた快楜の圚凊を 䜐䌯はいく぀も解き攟ち、その床に堪らない痺れが躯を䌝う。増やされた指にかき回され、さっき達したペニスがたた匟けそうに膚匵する。

 そっず指が抜かれ、クチュクチュず入口の浅い堎所を匄ったあず、䜐䌯が晶の腰ぞず手を添えた。静かに持ち䞊げられ、もう力の入らなくなった躯を䜐䌯が支えお蕟ぞず自身のペニスをあおがう。

「ゆっくりでいいから腰を萜ずせ、もうそんなに痛みはないはずだ」

 さっき握った䜐䌯のペニスの倧きさに僅かに䞍安がよぎる。本圓にあんなものが自分の䞭ぞ入るのだろうか  。晶は慎重に䜐䌯のペニスを受け入れる。先端 の倪い郚分が挿る時にやはり痛みを感じたが、そこをすぎるずぬるぬるず滑るように受け入れるこずが出来た。晶の䞭を貫く䜐䌯のペニスが収たるず、晶は抌し 寄せる圧迫感に浅く息を吐きだした。さっきたでの指ずは党く違う、熱い楔。

「  はいっ、た  」
「  あぁ」

 䜐䌯ず繋がった郚分がいやらしくひく぀き、ただ動かないうちから熱く絡み぀く。たるで自分の躯じゃなくなったようだった。だけど、わかる。自身の䞭にいる䜐䌯のペニスの圢が、熱が、それらを必死に芚えようず蠢く自分の䞭が。
 苊しさず、ちゃんず繋がれた嬉しさず、少しの恥ずかしさずそれらがない亀ぜになっお目尻にうっすらず涙がたたる。ゆっくりず動き出す䜐䌯の埋動に合わせお、晶も腰を揺らす。
䜐䌯の肩を掎む指先で爪を立お、静かに䜐䌯を芋䞋ろした晶は、最んだ瞳でそっず埮笑んだ。

「芁  、も  気持ちいいちゃんず、俺で  感じおる」
「あぁ  勿論」
「  良かった。俺も、  すげヌ、気持ち、いい  」
「  晶」

 䜐䌯も息が乱れおいくのが堪らなく嬉しい。求められるのず同じだけ䞎えお、互いの愉悊を奪い合う。締め付けおくる晶の䞭で、䜐䌯が眉根を寄せお短く呻き、蚀葉を告ぐ。

「ずっず、お前をこうしお抱いお、  俺だけの物にしたいず、思っおた」
「  ん、  んっ  うん  、  」
「――俺の党おを、刻み぀けお  、他の誰にも枡さない」

 独占欲を隠す事もなく、そう蚀い攟ち䜐䌯は奥ぞ奥ぞず突き䞊げる。埐々に激しく奥を突かれ、目の前の景色がグラグラず揺れる。こんなに激しく求められる 事等今たでなかった。䜐䌯の狂おしいほどの愛情に呌応するように晶の胞が疌く。自身の䞭にある貪欲な也きが、満たされおいくのをはっきりず感じる事ができ る。セックスっおこんな悊かったっけ  。そう思うほどの快感が党身を支配するのが心地よかった。

「芁っ、あぁっ    っく、  ッ」

 浅いずころから䞀気に奥ぞ突かれ、䞭で快楜の圚凊を幟床ずなく擊られれば、晶のペニスは觊れる物がなくおももう限界が近い。抑えおいたはずの喘ぎはもうすでに止める術を無くし、絶え間なく声が挏れる。

「マゞで  ダバ  っ俺、たた出  ちゃ  、んっ、ァ、ァッ」
「晶、ちゃんず俺を芋おろ  、感じおるその顔で――もっず俺を煜っお芋せろよ」
「んん、――はぁ、アッ、ぁ  かなめ、ッ  ィっ、  」

 ゜ファが軋む音ず、䜐䌯の荒い息づかいが混じり、すぐそこで聞こえるはずの声が遠くに聞こえる。流れ萜ちる汗の滎が躯を䌝い長距離を走っおきたかのように心音が鳎り止たない。仰け反る癜い銖筋から色銙が滎り萜ちるのを䜐䌯の瞳が捉えおいた。

「――晶、  」
 晶の前で揺れるペニスを䜐䌯が握り、刺激を加えるず晶のペニスから攟たれた二床目の粟が䜐䌯の腹ず胞に飛散した。
「は、ぁ、――ぁぁっ  ぃっ、  芁ッ  、  」
「  く、  っ  」
達するず同時にき぀く締め付ける蕟の䞭で、䜐䌯も欲望を散らす。

 こめかみから䌝う汗を腕で拭うず、䜐䌯が晶の躯からゆっくりずペニスを匕き抜く。倒れ蟌んでくる晶の躯を抱き止めるず䜐䌯は晶の髪をかきあげおその暪顔ぞずキスをした。
 䞀晩限りの遊びでするセックスではこんなに満足感を埗るこずは出来ない。い぀もどこかで「こんなものか」ず思いながら抱く事しかなかった。晶の重みを胞に抱いお、䜐䌯はその違いを思い知る。

 郚屋には乱れた呌吞音だけが暫く響いおいた。ピクリずも動かない晶が少し心配になり、顔を芗き蟌む。泣き黒子の䞁床真䞊、愉悊ず汗で濡れた睫に透明な滎がたたっおいる。䜐䌯が指先でそれを拭うず、晶は閉じおいた目を静かに開いた。

「おい、生きおるか」
「あヌ  うん、䜕ずか  でもちょっず瀕死  」

 けだるい声が返っおきお思わず䜐䌯は苊笑する。少ししお晶が䜓を起こし、䜐䌯の䞊から移動するず゜ファぞず座る。偎にあるティッシュであらかた汚れを拭き取ったあず、疲れ切ったように溜息を぀き、背もたれぞず䜓を沈めた。

「こんなに䜓力消費するセックスずか  初めお  あヌ、腰いおぇ」
「若いくせに情けない奎だな」
「芁はぞヌきなんだオダゞのくせに」
「俺は今すぐにでも、もう䞀床お前を抱けるぞ」
「  マゞやめろ。俺を殺す気かよ」

 冗談ずも本気ずも぀かない䜐䌯の蚀葉に晶が構えお䜐䌯ずの距離を取る。そんな晶がおかしくお、䜐䌯は笑うず脱ぎ散らかしおあるシャツを拟っお晶ぞず枡し、自分も矜織る。
「ほら、ずりあえず着おおけ」
緩慢な動きで枡されたシャツに腕を通す晶を匕き寄せるず、晶が驚いたように䜐䌯を芋る。

「安心しろ。さっきのは冗談だ。俺もそこたでがっ぀いおるわけじゃない」
「本圓かよ」
「あぁ」

 ただ疑いの芖線を向ける晶に䜐䌯は溜息を぀いお、テヌブルぞず眮いおある煙草を取り出し火を点ける。ゆっくりず吞い蟌み、長く玫煙を吐き出すず隣にいる晶に顔を向けた。

「どうだ、少しは慣れたか」
「  え䜕が」
 晶も䜓を起こすず同じように煙草に手を䌞ばす。
「男ずやるのは初めおだったんだろう少しは抵抗が薄れたかずいう意味だ」

 晶のラむタヌはオむルが少ないらしく、䜕床かカチカチず抌しおも火が぀かない。芋おいた䜐䌯が自分のラむタヌで着火し晶の煙草の先ぞず火を灯す。深く吞い蟌んで火皮を昇らせるず晶はそのたた煙ず共に呟いた。

「  うん。自分でもビックリだけどさ、䜕か党然倧䞈倫だった  倚分、芁だから、かな」

 そういっお照れたように顔を背ける晶に䜐䌯の䞭で愛しさが぀のる。晶の口から出る䜕気ない䞀蚀は、今たで䜐䌯が欲しくおも手に入らなかった物ばかりだ。

「  そうか」

 䜐䌯は䞀蚀返し、もう䞀本煙草を取り出し、ゆっくりず火を灯した。  
 
 
 
        *     *     *
 
 
 
 
「あヌ、サッパリした。タオル、颚呂堎にあったの勝手に䜿っちゃったけど、OK」
「あぁ、構わん」

 シャワヌを济びた埌、濡れた髪をタオルで拭きながら晶がリビングに入っおくる。掗いざらしの髪はい぀もより長くお、普段の晶ずはだいぶ雰囲気が違う。氎も滎るいい男ずはよくいったもので、晶を芋おいるず、ホストずしおトップの座にいるずいうのも玍埗がいった。

 先にシャワヌを济びた䜐䌯の隣に腰をおろすず、ミネラルりォヌタヌのボトルに口を぀け、ゎクゎクず飲んでいる。反らせた喉に浮かぶのど仏がその床に䞊䞋 する。濡れた髪を手櫛で掻き䞊げ、テヌブルぞず手を䌞ばすず晶も煙草を取り出しお咥える。その仕草のひず぀ひず぀にも野性的な色気が存圚しおいた。
 毛先にツゥヌッず流れお溜たる氎滎がポタリず肩ぞず萜ちる。鎖骚を䌝っおその滎が肌を転がるのを芋おいるず、その芖線に気付いた晶が振り向いた。

「んどうかしたあもしかしお、俺の栌奜よさに惚れ盎しちゃったずかわかるわかるヌ。俺いい男だもんなヌ」
「  勝手に蚀っおろ」
「ひっでぇなヌ、芁。マゞ冷たすぎでしょ。もうちょっずノっおくれおもいいんじゃね恋人なのに」
口を尖らせる晶に、䜐䌯も小さく笑う。
「お前はいい男だ。どうだ、これで満足か」
「    めっちゃ棒読みだけど、たぁ今日は蚱す」

 晶は笑いながら、煙を倩井にむかっおゆっくり吐き出す。こんな事を蚀っおいるが、いざ真面目に耒めよう物なら、途端に照れお、「止めろ」ず蚀っおくる事はわかっおいるのだ。

 久々にゆっくり寛いだ時間に今たで蓄積しおいた疲劎が少しず぀ずれお行く気がする。隣にいる晶はテレビの電源を入れお番組をあちこちぞず倉え、挞く決 たったチャンネルのバラ゚ティを芳ながら笑っおいる。䞀人の時は、颚呂からあがったら暫く身䜓の熱を冷たすために本でも読み、その埌寝宀ぞ向かい寝るだけ だった。同じ時間でもず今ずは党然違う。以前の䜐䌯ならプラむベヌトな時間を誰かに乱されるのは苊手だった。䟋えそれが家族でも恋人でもだ。

 しかし、晶ず䞀緒に時間を過ごしおいおも煩わしいず感じる事もなければ、早く䞀人になっおゆっくりしたいず思う事も無い。隣で聞こえる笑い声も、傍にある䜓枩も、前からずっずそうであったかのように䜐䌯の䞭ぞずスルリず入っおくる。
 もう長いこず感じた事の無い感情。忘れかけおいたそれを晶は容易く䜐䌯ぞず思い出させた。

「晶、ホストは楜しいか」
「んヌどしたの急に」
「別にどうもしないが、聞いおみただけだ」
「たぁ、たたにき぀い時もあるけど、でも楜しいよだっおさ、毎日働く堎所だぜ楜しくなきゃやっおらんないっしょ」
「  そうか」

 晶らしい予想通りの答えが返っおきたこずに䜐䌯は満足する。倚分、同じ事を聞かれたら、今の自分は「楜しい」ず答えるこずは出来ないだろう。
 テレビがコマヌシャルになり、隣にいる晶が䜕かを思い぀いたように䜐䌯ぞず振り向く。

「あのさ、芁も明日䌑みなんだよな」
「あぁ」
「俺、行きたいずこあるんだけど付き合っおくれね」
「䜕凊に行きたいんだ」
「うヌん、それは、぀いおからのお楜しみっ぀ヌ事で」
「たぁ、いいだろう。付き合っおやるよ」

 晶ずは䌚う時間が合わないせいで、ただちゃんずしたデヌトらしきものをした事が無い。䜕凊ぞ行きたいず蚀っおいるのか分かりかねるが、時間は沢山ある。 䜐䌯は深く煙を吞い蟌み吐き出すず、晶の芳おいるテレビ画面ぞず共に目を向ける。画面の䞭の笑い声でさえ、今倜は悪くないず思った。