千夜、刹那 最終話


 

 
 
 腕を伸ばすと佐伯に引っ張って起こされ、そのまま寝室へと向かう。 
 リビングの電気消してない、とか、ビールも飲みっぱなしで片付けてないとか、あれ? 寝室のドアはしめねーの? とか……。照れくささから何とか頭を離れさせようと必死に考えているけれど、掴まれた腕の感覚がすぐに現実に戻そうとしてくる。 
 
 広い佐伯のベッド、数え切れないほどの夜をここで共にしてきた。 
 ベッドサイドの明かりだけを付けて、佐伯と共にベッドの上でもつれ合うように沈む。口付けながらもどかしいように着衣を脱ぎ捨て、硬い佐伯の背中へ腕を回す。 
 
「晶」 
 
 名を呼ばれ。深く沈んでいく躯。佐伯の熱を持った躯が重なり、互いの心音が混ざる。ずっと欲しがっていた気持ちを解き放つと、心が震えるように熱くなった。 
 
「要、」 
 自ら佐伯に口付け、唇を開く。食むように佐伯の唇を貪り、侵入してくる佐伯の舌に晶も舌を絡める。 
「んっ、ぅ、……」 
 
 はぁ、と吐き出すキスの合間の息でさえ熱を孕んでいて、擦れ合う躯が急くように疼く。口付けながら肌をまさぐられ、その指使いが堪らない。 
 
「もっかい、……もう一回言って」 
 
 ねだるように甘く求める佐伯からの言葉。 
 
「何をだ」 
「さっき言ってただろ。俺が、相手で良かったって」 
「ああ」 
 
 佐伯は、口付けを解いて悪戯に耳元へと唇を寄せる。佐伯の息遣いとともに、小さく笑う声。 
 
「断る」 
「酷ッ! 人が折角お願いしてんのに」 
「何度も言ったら、言葉の価値が下がるだろうが」 
「……そうやってうまくごまかしたつもりかも知れね、……っ、おい! 話してる途、……ぅ」 
 
 晶が食い下がるのを無視して、佐伯はそのまま唇を塞ぐと晶の項の中に指を滑らせ地肌を逆へと辿っていく。鼻先、頬、耳朶、佐伯のキスが移動していく。 
 
「……んッ、ッ」 
「お前が忘れた頃に、また言ってやる。楽しみにしていろ」 
「……、どんだけ、……上からなんだっつーの」 
 
 そんな事を言ったら、きっと一生聞く機会がなさそうである。だって、その言葉を忘れる日なんて一生来ないだろうから。佐伯の指の動きに、晶は躯をぴくりとさせた。 
 セックスの最中にあまり喋るのはよくないとは思う。思うのだけれど……。 
 
「要、あのさ」 
「まだ何かあるのか。今度は何のお願いだ」 
 
 佐伯とこうして抱き合うのが久々すぎて、恐ろしいほど躯が敏感な上に……あろうことか、どうやら緊張している。晶は自分で気付いてしまったその事に自分で呆れていた。 
 二十八歳、元No.1ホスト、現在ホストクラブのオーナー、告白された回数星の数、抱いてきた女数えきれず。いや、少し盛ったがそんな事はどうでもいい。この俺が「緊張」? ありえないだろうという気持ちと、佐伯に知られたくないという気持ちがせめぎ合う。だけど、何故か気付いたら無意識にとんでもない言葉を口にしていた。 
 
「悪ぃ……俺、ちょっと緊張してんのかも」 
――何言ってんだ……俺。 
 
 思った事を口にする呪いにかかってしまったのだろうか。 
 慌てて口を手で覆い、佐伯の反応を見ると、佐伯は今日一番満足そうな表情で口元を歪めていた。 
 わかっていた。こうなることは。 
 
「ほう……。随分と可愛い事を言って、煽ってくるじゃないか。どうした、路線変更か?」 
 
 佐伯がわざとらしく晶の胸に顔を寄せて心音を聞くように目を閉じる。はらりと肌を滑ってこぼれ落ちる佐伯の髪。少しでも落ち着かせようと深く息を吸ってみるが、効果は得られなかった。 
 
「脈が速いな」 
「誰のせいだよ」 
「勿論俺だ。……フッ、そう緊張するな、満足するまでたっぷり可愛がってやるよ」 
「ほんっと、エロい言い方しかしねーな」 
「安心しろ。他の奴には言わない」 
「当たり前だろ。セクハラで逮捕されるっつーの」 
 
 顔を見合わせて思わず苦笑する。ムードもへったくれもない。 
 しかし、いつものように言い合っているうちに、気付くと緊張していた事を忘れていた。佐伯がわざとそうしてくれたのか、偶然なのか……。 
 少しの沈黙の後、晶が唾を飲む音が響く。 
 
 佐伯は、ゆっくりと息を吐くといつもよりずっと遅いペースで何度も晶の躯のあちこちを指に刻むように動かした。脇腹を撫でられるとくすぐったいような焦れた甘美な感覚が背筋を駆け上る。 
 
「んっ、……」 
 
 片手で愛撫を続けながら、佐伯の熱い唇は晶の乳首を食んでそのまま口に含んだ。舌先で転がされ嬲られるうちに腫れたように赤くなる胸の突起。執拗なまでの愛撫に頭をもたげたペニスが頼りなげに揺れる。 
 
「要、もうちょい上来て」 
 
 少し躯の位置をずらした佐伯のものを手を伸ばして掴む。熱く脈打つ力強いそれも自分と同じように勃っていて、それが愛しくて堪らない。 
 緩く輪を作った中で佐伯のペニスをゆっくりと扱くと、佐伯は愛撫の手を一瞬止めた。 
 
「触られていると動けないんだが」 
 確かにその通りである。しかし、自分ばかり愛撫されているのではなく佐伯も気持ちよくさせたかった。 
「俺が1回イかせてやるよ」 
「……」 
 
 ベッドから躯を起こし、佐伯と体勢を入れ替える。佐伯の躯に跨がると軽く口付け、その後下肢へ下りていくと佐伯のそれに唇を被せた。口内一杯に感じる佐伯の味、舌先を尖らせて筋をくすぐるようになぞる。 
 静かな部屋に、佐伯の少し上がっている息遣いが響く。 
 濡れた音を立てて、見せ付けるように視線を絡めれば、いつも余裕の表情の佐伯が僅かに眉を寄せていた。 
 
「感じる? すげぇ、でかくなってる」 
「……、ああ」 
 
 夢中になって口淫を暫く続けていると、動きを止めるように髪の毛を掴まれ我に返った。口を離し佐伯を見上げると、耐えるように息を詰めている様子が窺える。 
 
「このままイけばいいじゃん」 
「ダメだ。お前の中でイかせろ」 
 
 後もう少しでイかせられそうだったというのに、佐伯に阻止され晶は不満気に息を吐いた。 
 
「久々だからゆっくりやってやろうとしていたのに……。無理だな」 
 
 佐伯は晶にいうでもなくそう呟くと、あっという間に晶をベッドへうつ伏せに組み敷いた。背中を押さえつけられて身動きが取れない。見えない鎖に拘束されているかのように。 
 
「ったく、乱暴かよ」 
「いたわるような緩いやり方が好みなのか?」 
「別に?やりたいようにやれよ。俺もそうするし」 
 
 別にマゾではないので乱暴に扱われるのが好きなんて事は無いが、強引なのは嫌いじゃなかった。激しく求められれば、それだけ躯も熱くなる。 
 佐伯はクッと笑いを溢すとベッドサイドへ手を伸ばした。コンドームとローションを取り出したっぷりと絡め、蓋もしないまま乱暴に横へと放る。 
 
「腰を上げろ」 
 
 腹に響くような低い声で短くそう言い、片手でゴムを被せた後、晶の腰のなだらかなラインに掌を這わせた。窄まりにヌルついた指を入れながら、押し広げるように揉まれていく。直接的な刺激にゾクゾクとした愉悦が溢れる。 
 
「……っぅ、ぁ」 
 
 自分で見えない状態だからなのか、佐伯の指の動きを鮮明に感じとることができる。孔の中でかき混ぜるように蠢く佐伯の指先、意思とは関係なしに収縮するそれが佐伯の指をぎゅっと締め付けた。 
 シーツに押しつけた頬、忙しなく吐き出す自分の吐く息、快感に緩んだ声が喉の部分で小さな音を立てる。 
 
「っ、ん……。は、ぁ、ッ……」 
「挿れるぞ」 
「、……ん、うん」 
 
 先程口に含んだ時にも感じた圧倒的な大きさのそれが体内へとゆっくり侵入してくる。晶は僅かに力を入れて息を詰めた。開かれていく躯、受け入れた部分が熱くて溶け出しそうだった。 
 
「うっ、……かな、め」 
 
 根元まですっかり収めてから、佐伯は背中から覆い被さるように晶を抱き締めると上げた腰の下で揺れている袋を大きな掌で何度か揉みしだき、そのままペニスを握った。 
 
「や、め……、いま、触んな、……って」 
「まだイっていないのに、もうヌルヌルだな」 
「報告、いら、ねーから……」 
 
 佐伯は握ったまま一切手を動かしていない。にも関わらず、もうすでにイきそうである。何か気を紛らわす方法……。 
 
「ッっ、アッ……、無理っ……をい」 
 
 佐伯は晶の表情を上から眺めたまま、ニヤリと笑みを浮かべ、一気に手を動かした。擦られる摩擦だけではない、後孔には佐伯の物が挿っていて、それが丁度感じる角度を刺激したままなのだ。のぼってくる快楽が爆ぜそうな晶のペニスを急速に追い立てる。 
 
「イく、……で、る、っ……ぁッ…!!」 
 
 佐伯の手の中で勢いよく達した先から白濁がシーツヘと落ちる。そんなに溜まっていたわけでもないはずなのに、中々止まらない射精に晶はシーツに顔を押しつけ躯を震わせた。荒い濡れた息がシーツヘとしみ込んでいく。 
 
「はっ、ぁ、……っ、」 
 
 イったばかりで敏感な躯を休める時間も無く、未だ滴り落ちる白濁を軽く指で拭うと佐伯は突き立てたそれをゆっくりと動かした。晶の精液で濡れたままの手で晶の腰を掴むと打ち付けるように引き寄せる。 
 
「っア、……う、」 
「お前の中、やけに絡みついてくるな、わざとか?」 
「な、わけねー、っ、だろ……」 
 
 抗うことをやめた体内はただ貪欲に快楽を求め続ける。甘い戦慄に五感の全てを支配されて、目の前がチカチカした。 
 
「要、っ、一つ、教えといて、やる……っ」 
「何だ」 
 
 足りない酸素を求めるように、シーツから顔を上げ息を吸う。がくがくと揺れる腰に脳天まで揺さぶられているようで酩酊感に呑まれそうになりながら、晶は小さく笑った。眩む視界でさえ、自身の欲情を食い止める事は困難だ。だったら自分から煽ってやるのも悪くない。 
 
「今夜も、さ。……感度、いいって、言ってただろ?」 
「ああ」 
「それ、っ、ん……ちげーから」 
「……」 
「『今夜』じゃなくて、……。相手がっ、っぅ、要……、だから。感じ、まくってんの。そこ、っ間違えんなよ」 
「……っ」 
 
 佐伯の物が孔の中で膨張する、これ以上大きくなられたら、さすがに体的に厳しいのではと思うけれど、隙間なく繋がっている今、脳内は快楽を享受することで精一杯で他の事はどうでもよくなる。 
 
「晶、……」 
 
 掴まれた腰が引き寄せられる度に、内臓を貫く勢いで背後から突き立てられ、いよいよ堪えていた声が漏れ始める。汗で濡れた髪が躯が揺れる度に冷たく顔に当たる。 
 
「ぁ……、っく」 
 
 さっきあんなに沢山出たはずのペニスの先からは、また性懲りも無く猥らな雫が零れている。一度捕らわれた絶頂感からは逃れられない。 
 愛おしいほどの苦しさにシーツを掴む指先が白くなる。 
 
「ぁアっ、ァッ……っ、要、ッ、かなめ」 
 
 視界を埋めるのは、真っ白なシーツ。 
 抱かれながら感じるのは、佐伯の匂い。 
 後ろから突かれているのに、何故か躯全体を抱き締められているような錯覚に陥る。 
 
「うっ、ぁッ、……ぁあ、ッ」 
 
 繋がった部分から融合して、佐伯と溶け合う感触。快楽の在り処を繰り返し擦りあげる佐伯のペニスに、晶は堪らず二度目の種をシーツに撒いて低く呻いた。 
 追うように果てた佐伯も相当に息があがっていて、二人分の乱れた息遣いが煩いほどに部屋を満たしていた。 
 
「あき、ら」 
 
 佐伯がずるりと自身のペニスを抜くと、晶の先からはぶわっと精液が溢れる。腰を上げた無理な体勢を保っていることも出来ず、晶は仰向けにベッドへ転がると大きく息を吸って呼吸を整えた。今日二回目の全力疾走をした気分だ。 
 
「……暑ちぃ……、マジで、クーラー強くして」 
「ああ」 
 
 佐伯がリモコンで冷房の温度を三度下げる。これでもかと吹きつけてくる風が身体に当たってどんどん体温を奪う。だけれど、まだまだ火照る身体が冷めることは無かった。 
 とりあえず濡れすぎて冷たいペニスをティッシュで拭おうと手を伸ばすと、佐伯が長い手を伸ばし代わりにとって、晶のそれを拭う。晶は濡れた前髪を掻き上げて、苦笑しながら佐伯に視線を向けた。 
 
「……あれ? 優しさは完売したんじゃねぇの?」 
「お前のために、さっき在庫を出してきた」 
「なにそれ。在庫とかいってねぇで、常に売っとけっつーの。俺の優しさとか、毎日バーゲンセールだぜ?」 
「……馬鹿か。毎日バーゲンセールなら既にセールじゃないだろう」 
「あ、そっか。つか、細けぇ事はいーんだよ。俺の半分は優しさで出来てんの」 
「……フッ、どこぞの頭痛薬みたいだな」 
「そうそ。……あぁぁ……、煙草吸いてぇ……」 
 
 白い喉を反らして天井を見上げる。 
 
「とりあえず、一度一服してくるか」 
「だな、喉も渇いたし。……なぁ、要」 
「ん?」 
「まだヤんだろ?」 
 
 色気を滲ませた視線で佐伯を挑発すれば、欲しかった言葉がすぐに返される。 
 
「当然だ」 
 
 佐伯とのセックスがこんなに簡単に終わるわけはないし、終わらせるつもりもない。ワンラウンド終了後の一服は、この頃恒例なのだ。 
 やる? やらない? もっと抱いて、もっと抱かせろ。そんなやりとりをする時間も惜しい。 
 抱きたいだけ抱き合って、枯れるまでセックスして、疲れ果てて眠る。そんな単純明快な、だけど濃密な夜の過ごし方が自分達にはお似合いだ。 
 子守歌を聴くには、まだ、夜が浅すぎる。 
 
 佐伯が乱れた髪を結び直しているのを邪魔して、晶は佐伯の首筋に甘噛みをした。 
 
 
 
     *     *     * 
 
 
 
 帰路につく車内。うとうとと座席シートで浅い眠りに微睡みながら、耳に届く車内アナウンスを晶は聞いていた。電車の揺れというのは、どうしてこうも心地よいのだろう。 
 
 短い時間なのに何個か夢を見た。 
 その一つは、拓也が大人になっているという物だ。予想通り晶の身長を追い越した拓也は、眼鏡を掛けているのは変わらなかったけれど驚く程イケメンになっていて……。 
 
「晶さん、これとか父に似合うと思うんですけど、どう思いますか?」 
 
 何故か佐伯に贈るプレゼントを一緒に選んでいるという夢だった。 
 何を手に取っていたかは忘れたが、拓也に「晶さん」と呼ばれているのがくすぐったかったという事だけを覚えていた。 
 
 正夢になればいいな、なんて思いながら夢の余韻に浸る。 
 現在昼の十二時を回ったところで、ガンガンに冷房を効かせた車内だというのに、差し込む陽射しがジリジリと暑い。 
 今日は時間もあったので、大阪へ戻る佐伯を新幹線のホームまで見送ることが出来た。あっさりとした物で、電車に乗り込んだ佐伯に「じゃぁ、また」と一言言っただけで別れた。名残惜しくないと言えば嘘になる。だけど、立ち止まることも出来ないのだから。 
  
 膝に載せているのは、佐伯から貰った下駄が入っている紙袋。 
 今度これを履いて会えるのは一年先かも知れない。晶が目を開け、窓の外に視線を向けると眩しいほどの陽射しが一瞬にして目を焼いて、晶は目を眇めた。 
 
――あれ? 
 
 ポケットに入れている携帯が一度振動したのに気づき取り出してみると、佐伯からのメールだった。何か言い忘れたことでもあったのかと開いてみると、そのメールは拓也が佐伯に送ったメールを転送した物のようだ。 
 晶は思わず緩みそうになる顔を引き締めて携帯へ視線を落とした。 
 佐伯に宛てて送っているので、お父さんへという文から始まるメールだったが、途中で自分の名前を発見した。 
 
『お兄ちゃんといっしょに、はなびをみたこと。わすれないって約束したので、日記にかきました。はなびは大きくてとっても楽しかったです。お兄ちゃんと約束していた写真をおくるので、お兄ちゃんにみせてあげてください』 
 
 一緒に花火を見たことを忘れんなよと言った言葉を覚えていてくれたのが嬉しくて、晶は拓也の顔を思い浮かべた。しかし、約束の写真とは一体何のことなのか。 
 添付されている写真をDLしてみる。 
 
「…………」 
 
 晶は一度深く息を吸い込んで、そっと携帯を閉じた。 
 確かに約束をしたような気がする。この約束は、正直忘れていてくれたほうが良かった。 
 写真は、エンジムシという気色悪い虫の拡大図だった。 
 先程夢で登場したイケメンな拓也が、虫の写真と混ざり、脳内で語りかけてくる。 
 
「晶さん、見て下さい。今、大学の研究室で、この虫の研究をしているんです。可愛いですよね」 
 
 拓也が掌に載せた沢山の虫を晶へと見せてくる。 
 
――これが……正夢になってしまう可能性……。 
 
 拓也の将来が楽しみだ。……けれど少し不安になった。 
 
 自宅最寄り駅に着いた電車を降り、ホームへと降り立つと絡みつくような暑さが足下から上ってくる。 
 あと何年、拓也と一緒に花火を見られるのだろうか……。 
 大人になった拓也と佐伯と三人で酒を飲む。くだらない話をして、佐伯が呆れて俺たちを見るんじゃないかなとか。その頃は自分もいい歳なので、人生のなんたるかを拓也に語ったりするのかもしれない。想像するだけで楽しそうだ。 
 
――何年先だっつーの! 
 
 晶は、一人苦笑しながら、階段を下りた。 
 
 
 
 
 
 
 
END