scene2


 

 
――あれ……? 
 
 信号にしては停車時間が長い。何か機械の故障でもあったのだろうか。信二は、つり革から徐に手を離すと周囲を視線だけで見渡した。 
 特に何も変化はない。 
 停車して数分の間、車内は静かだった。 
 しかし、すぐに周囲もざわついてくる。携帯で情報を調べる者。無関心にそのまま雑誌を読み続ける者。グループで乗っている客達は、それぞれが相手と小声で会話をし出す。 
 
 自分は特に急いでいないから構わないが、そうではない人もいるのだろう。信二と丁度背中合わせになっている中年の男が苛立ったように舌打ちをするのが聞こえた。 
 楠原はどうしているだろうとチラッと窺ったが、こちらへ振り向かないので気付いて貰えない。信二はポケットから携帯を取りだした。路線と駅名で検索して何が起きているか調べようと思ったからだ。 
 しかし、それはすぐに必要がなくなる。 
 車内にアナウンスが流れ出した。 
 
 どうやら信二達の乗っている電車に影響のある駅で人身事故があったらしい。前の電車がまだ駅にいるそうで、その電車が発車次第出発するとのアナウンスだった。 
 こんな事なんてそうそうないのに、運が悪い。信二は電車の窓から景色を眺めて溜め息をついた。この辺りの地理に詳しくないので、見える建物で現在地がわかるわけでもない。 
 
 暇なのでネットでニュースでも見るかとサイトを開いた所で、少し離れた先で女子高生が小声で話すのが聞こえた。声の主を見てみると、楠原の側にいるいかにも今時と言った感じの二人組だ。 
 周りもそれぞれが会話しているらしく、車内は終始落ち着かない雰囲気だった。 
 
「ねぇ、今メッセージ来たんだけど、圭ちゃん人身事故の駅にいるって!」 
「ガチで? やだ、怖くない?」 
「ほらこれ、実況中~」 
「ほんとだ、ホーム、すごい事になってるじゃん」 
 
 友人の誰かが、問題の駅にいるらしく仲間内で現場の騒ぎを実況しているらしい。 
 画面を見ているわけでも無いので信二に内容の詳細はわからないものの、言葉の端々から凄惨な映像が思い浮かぶ。 
 実際に飛び込んだ場面を見たわけでは無いだろうが、側で人が自殺したのだ。今時の女子高生は、こういうのをみても平気なのだろうか。動画越しに見ることで、エンターテイメントの一環としてしか捉えていなそうである。 
 
――人身事故、か……。 
 
 信二の脳裏に自殺という言葉が嫌な予感を纏い、再び浮かびあがる。信二は楠原の方へ再び視線を向けた。 
 楠原は先程からずっと背を向けて俯いており顔が見えない。信二と同じように携帯を取りだして何かをしているようで、背後からその画面だけはみえる。 
 少し身体をずらし、目を細めて楠原の携帯を見てみると、その画面はホーム画面からいっさい動いていなかった。 
 文字を打ち込んでいる様子もなければ、どこかのページを開いているわけでもない。 
 
 何をしているのか気になり暫くじっと見ていると、携帯を握る楠原の指先が小さく震えているのが一瞬だけ見えた。気のせいである事を願いながら、信二はメッセージ画面を出し楠原へ文字を打つ。 
 
『人身事故らしいっすね……、いつ動くんだろう?』 
 
 自分が送信したメッセージが楠原の携帯画面に着信しているのが見える。しかし、楠原がメッセージ画面を開くことは無かった。多分画面を見ていないのだ。 
 どこか様子のおかしい楠原に気付いたものの、「どうしたのか」と声をかけられるほどの至近距離ではない。携帯を鳴らしてもみたが、車内なので当然着信音は切られているのでやはり反応は無かった。 
 
 楠原の側にいる先程の女子高生の会話を思いだす。この周辺の誰もが耳にしたのだから当然楠原だって聞いていただろう。楠原の位置からは、その画面も、もしかしたら見えたのかも知れない。 
 目の前で起きた飛び降り自殺、厳密には飛び込みだが、それをリアルタイムで聞いていた楠原が、後輩の件を重ねて思い出す確率は限りなく高い。そして、それが引き金で発作を起こす可能性も。 
 一年前、たったの一年である。記憶が薄れるような年月ではない。 
 
――……まずいな。 
 
 信二は、もう一度楠原へとメッセージを打つ。 
 
『蒼先輩、大丈夫ですか? とにかく、電車が動いたら、次の駅で降りましょう』 
 
 一縷の望みを掛けて同じメッセージを二回連続で送信する。 
 何度か点滅した楠原の画面。楠原がやっと気付いたのか顔を上げたのがわかった。送ったメッセージが既読になる。 
 返信が無い代わりに、楠原が僅かに信二の方へ横顔を向ける。伏せた目元、表情には出していないが、その横顔は真っ青で、ドア付近の手摺りを握っている左手は、人の視線に触れぬように降ろされた場所で震え続けていた。 
 
「……っ、」 
 
 やはり、という気持ちと、早くどうにかしないとという焦りで、信二の額にもうっすらと汗が浮かぶ。 
 電車は繰り返し先程のアナウンスと同じような内容が流れるだけで全く進展がない。考え込みながら目を瞑っていると、握っている携帯が振動を短く伝えた。信二はすぐに画面を開いてみる。 
 
『心配しないで。大丈夫です』 
 
 楠原が自分の発作に気付いていないはずはなく、信二を安心させるために送ってきた嘘である事はわかっている。だけど、この状況では、どうすることも出来なかった。少しでも前向きに捉えるとすれば、楠原が携帯でメッセージを打てる程度の状態を維持しているという事だ。 
 以前のように強い発作の時には、多分立っていることも出来ないだろうから……。 
 信二は、焦る気持ちを抑えて唾を飲みこみ、もう一度画面に文字を打ち込んだ。 
 
『駅が見えたら、すぐにそっちへ行きます。待ってて下さい。俺が、必ず助けます』 
 
 こんなに近くにいるのに、支えられないなんて。 
 今すぐ声を上げて側に行くことは可能かも知れない。だけど、楠原は発作が人に知られるのを酷く嫌がることも知っている。ちょっとした騒ぎになって周囲の視線を集めてしまうだろう。平静を保っていると見せるために隠した、震える指先。それをみてしまえば……、迂闊に行動出来なかった。 
 
 携帯の時刻表示を見つめたまま、永遠とも感じられる長い時間が過ぎるのを待つ。電車が漸く動き出したのは十五分程してからだった。ホッとしたものの、次にいつくるかわからない電車と大幅な遅延のせいで、次の駅で乗り込んでくる乗客の数が、通常より増していることは想像できる。 
 なんとしてでも、楠原と降りなければ……。 
 
 信二は、駅のホームが視界に入るとすぐドアの方へと向かった。駅に到着してドアが開いても、乗り換えのない駅なので、ほとんど降りる客がいない。 
 
「すみません、おります!!」 
 
 信二が声をあげてドア付近まで辿り着き、楠原の腕を強く掴んで降ろす。信二達が電車から降りると間もなくしてドアはしまった。間一髪である。 
 降りた客は少ないが全くいないわけではない。脇に避けた楠原に、降りた客の肩がぶつかり楠原がよろめく。 
 信二は庇うように腕を回し、楠原の身体を自分に寄りかからせてから、辺りを見渡した。どこか休める場所はないか。 
 ホームの端に人気の無いベンチがあり、ひとまずそこへと足を向ける。 
 
「蒼先輩、俺にもっと体重掛けていいっすから。ちゃんと支えてるんで、少し歩けますか?」 
 
 信二が心配そうに顔を覗き込むと、楠原は黙ったまま一度頷いた。 
 車内で相当我慢していたのだろう。青ざめた楠原のこめかみから汗が伝い落ちる。途中息苦しそうに咳き込んで足を止める楠原を、いっそのこと背負って運びたくなったが、なんとか我慢し無事にベンチまで辿り着く事が出来た。 
 座らせた楠原の横に自分も腰掛けて、その背中へとそっと手を当ててさする。片方の手では冷たくなった楠原の手を温めた。楠原の乱れた呼吸音を聞いているだけで不安になる。しかし、今は自分しかいないのだと思えばそんな不安は幾らでも抑えつけることが出来た。 
 
 息苦しさに喘ぐ楠原の胸が上下し、胸痛があるのか強く抑えつけている爪先が色を失っている。激しく上がった心拍数がこちらにも伝わってくるようだ。車内の熱気は当に過ぎ去り、代わりに夜の冷え切った風が強く二人に吹き付ける。 
 信二は楠原の手に自身の手を包むように重ね、静かに声をかけ続けた。 
 
「ちゃんと深く息吐いて、ゆっくり。大丈夫、俺しか見てませんから」 
 
 楠原と付き合うようになってから、初めてその手の本を何冊か買ったのだ。どの本にも書いてあったのが、相手が感じる恐怖感を煽らぬよう、側にいる人は冷静を心がけるということだった。 
 
 辛抱強く繰り返していると、次第に楠原の強張った身体から力が抜けていくのがわかる。落ち着いてきた呼吸に安堵し、信二はポケットからハンカチを取り出すと、楠原の汗を軽く拭って様子を窺った。 
 
「少し落ち着いてきたみたいっすね。良かった……。でも、焦らなくていいっすから」 
 
 前に落ちて乱れた楠原の前髪を、指に絡めて耳へとかける。楠原は小さな声で「……すみません」と言ったものの顔を上げなかった。 
「もう少し、このままでいましょう」 
 
 楠原の肩を撫でながら声をかける。まるで子供をあやしているような仕草で。楠原の呼吸は完全に戻り、青ざめた頬に少し赤みが差してくる。 
 黙っている楠原は、まだ苦しいのかと思ったが、そうではないらしい。 
 暫くして、楠原がゆっくりと息を吐いた後、伏せていた長い睫をあげた。 
 
「有難う……。もう、大丈夫です……」 
「みたいっすね。安心しました」 
「……最近は、……前ほど発作が起きないので、気を抜いていました。薬を持って来るのを忘れるなんて……。迷惑を掛けてすみません……」 
 
 楠原が途中で薬を飲まなかった時点で、持っていないのだろうと予想はしていた。 
 自宅を出る時、完全に片付いた訳ではないあの状況でバタバタと皆で慌ただしく出て来たのだ。しかも遠出するわけでもなく、夕食を食べにちょっと外出するだけの予定だった。楠原じゃなくたって誰だって同じ事になるだろう。だから、楠原が薬を用意するのを忘れた事を責めるつもりは全く無い。 
 だけど、楠原自身はそう思っていないのだろう。自分の落ち度だと言うような言葉。信二はわざと笑って軽く返事をする。 
 
「あの状況じゃ、俺も絶対忘れますって。いいじゃないっすか。こうして、落ち着いたんだし。あの電車、暑かったから、ここで涼めて良かったっす」 
 
 楠原は自嘲したように小さく笑った後、少し悔しそうに「情けないですね……」と呟いた。 
 
「……蒼先輩」 
「忘れなくてはいけないのに、あんな些細な事ですぐに思い出すなんて……」 
 
 楠原はそう言って「どうかしてる」とでも言いたげに首を振った。 
 
「こうしてまた信二君に頼って、ほんと、……自分が嫌になります」 
 
 楠原から思いがけない言葉が出る。頼ってくれるのは正直嬉しいし、迷惑だなんて思った事も無い。けれど、楠原も男だ。一方的に頼る事をなんとも思わないはずは無い。そう考えてしまえば、「頼ってくれて逆に嬉しいです」なんて言葉を、今返せるはずもなかった。楠原だって、望んで発作を起こしているわけじゃないのだから。 
 
 それともう一つ、楠原が信二にここまで負い目を感じる理由はわかっていた。 
 発作の原因、それが過去に大切だった後輩に起因しているからだ。 
 
 返す言葉を選んでいたはずなのに、自分を責めるような楠原を見ていると、勝手に言葉が出ていた。 
 
「――忘れなくても、いいでしょ」 
 
 口にした後ハッとし、信二は焦ったように口を噤んだ。 
 今言いかけたことは、ずっと自分の中で考えていた事で、『いつか』楠原に伝えられればいいと思って来たことだ。だけど、今がその『いつか』でいいのか。 
 考えれば考えるほど、そのタイミングがわからなくなる。不自然に言葉を止めた信二を不思議に思い、楠原が僅かに視線を向ける。 
 
「信二君?」 
 
 信二は開いた膝の間で自身の指を絡めると、一度息を深く吸い込んだ。冷たい空気が一気に肺に入る、まるで楠原の煙草を貰った時のような感覚だ。 
 どこかに答えが落ちているのを探すように、ホームの向こう、帰路につくまばらな人々を目で追いながら覚悟を決める。 
 
「ええと……」 
 
 過去の事件の当事者ではない自分。目にしたこともない凄惨な死。自分が話そうとしていることは、それらを実際に経験してきた楠原には届かないかも知れない。 
 だけど多分、誰も楠原に言う事は無いだろう言葉だ。信二をのぞいては。 
 信二は指を組んで遠くを見たまま、考えていた事を自ら反芻するようにゆっくりと切り出した。 
 
「……たとえ、……辛い記憶でも、大切な後輩との想い出っすよね。さっきの件で、それを思いだして重ねるのは、当然です。情けないとか、絶対ないし。それに……」 
「……」 
「それに……、忘れなくちゃいけないとか、無理に、思っちゃダメっすよ」 
「……どうして」 
「だって……、記憶が消せないのも、身体が反応するのも、蒼先輩が優しい証拠でしょ……。俺は、そんな蒼先輩だから好きになったんです。正直言うと、そこまで蒼先輩の中に入り込んでる彼が、羨ましいって思う事もあります。……だけど、そういうのも含めて……。俺は蒼先輩の傍にいたい」 
「…………、……信二君」 
「……上手く言えないっすけど……。忘れるんじゃなくて、寧ろ、時々はその彼のことを思いだして、大切な想い出の一つとして記憶に留められるようになれればいいんじゃないかなって……。今はまだ辛いだろうけど、そうなれたら、蒼先輩も楽になるんじゃないかって」 
 
 楠原が黙ったまま額へと手を当て、髪をかき上げるのが信二の視界を掠めた。楠原の中に今もその後輩がいること。独占欲がないわけではない。だけど、色々な想いを抱えて生きてきた楠原が、彼を『覚えていること』に罪悪感を抱いてほしくなかった。 
 誰かを大切に思う代わりに、過去の誰かを忘れなくてはいけないなんて間違っている。そう思うのだ。 
 
「……信二君の言う通りかも知れませんね」 
 
 楠原が隣で静かに息を吐き、少し困ったように表情を曇らせた。 
 
「……そうなれるように、努力はしますが。今すぐには……まだ、少し時間がかかるかもしれません……」 
「それは、当然っすよ。それに、蒼先輩はもう、一人じゃないでしょ。何か出来る事があれば、俺が一緒に手伝います。いつか……、ずっと先でもいいから……。そうなれたら、いいっすね」 
 
 振り向いた信二が優しい笑みを浮かべて楠原を見つめた。自分を見る優しげに細められた信二の目元、指一本触れられていないのに、全身がその温かさに包まれている気分になる。発作が起きた後とは思えないほどに、心は凪いでいて。 
 信二がそっと落とした波紋が何度も心に侵食した。 
 
 
「俺も、その彼に負けないように、頑張らないといけないっすね」 
 
 明るい声が楠原をふわっとすくい上げ、一瞬にして空気を軽くする。優しくてまっすぐで、頼もしい年下の恋人。 
 自分には勿体ないほどの存在だと思った。 
 
「信二君が、頑張る必要はありませんよ」 
「え? どうしてっすか!?」 
 楠原は小さく笑うと信二の顔を覗き込み、じっと見つめた。 
「だって、僕の中は、もう信二君が占めているでしょう? これ以上、隙間がないんですよ。そんなに広くありませんから」
 楠原に見つめられている信二が、返事に窮して頭を掻く。 
「えっと、じゃぁ……。そうだな……。あ! 上に重ねるとかどうっすか! ミルフィーユ状態で」 
「ミルフィーユですか? では、生地とクリームの二層が必要ですね」 
 
 つい先ほどまで男らしい強さを感じさせていた信二だが、照れていると途端に可愛く見える。そのギャップに楠原は思わず笑みを溢した。 
 
「大丈夫っす! 俺1ver、俺2verで交互に重ねますから」 
「なるほど、それは豪華ですね」 
 
 笑う信二に、楠原もついおかしくなって一緒に笑う。遅延で混雑していた状況も緩和されたのか、いつのまにか駅には通常と変わらない車両が何度も停車しては発車していく。 
 遠ざかる車両を視線で見送りながら、楠原は安心したような声で口を開いた。 
 
「信二君は、僕のヒーローですね」 
 信二の耳に届く、楠原の優しい声。 
「え……?」 
「だってそうでしょう。僕をいつも助けてくれて、傍にいてくれるんですから」 
 
 信二が再び照れたように「そ、そんなにいいもんじゃないっすけど」と視線を逸らす。 
 
「あ……そういえば、ヒーローで思いだしたんっすけど」 
「ええ。なんですか?」 
「俺、ガキの頃そういう戦隊ものが好きで、憧れてたんっすよね」 
「そうなんですか。男の子は皆、一度は憧れますよね」 
「そうっすね。でもほら、実際にはそんな職業ってないじゃないっすか? だから、諦めるしかなかったけど……」 
「……?」 
「蒼先輩のヒーローになれて、嬉しいっす。夢が叶いました」 
 
 そう言って明るい笑顔を向ける信二は、本当に眩しくて、慣れない光に楠原は目を細めた。 
 
「それは、何よりですね」 
「蒼先輩も、俺のヒーローになって下さいね」 
「僕もですか? では、今度研究しておかないといけないですね」 
「わからない事があったら、いつでも聞いて下さい。秘密基地の場所とか、蒼先輩にだけこっそり教えますから」 
 
 楠原が「ええ、その時は宜しくお願いします」と言って笑う。 
 つい話し込んでしまったが、よく考えるとゆっくり話すのは、帰ってからでも良いのではないか。同じ場所へと戻ることを忘れていた自分達がおかしくて、二人は顔を見合わせた。 
 
「とりあえず、帰りますか」 
「そうですね」 
 
 楠原に手を貸そうと差し出すと、楠原はその手を取らずに立ち上がった。もうすっかり体調も戻ったようだ。 
 
「電車乗れそうっすか? タクります?」 
「いえ、もう大丈夫です。次の電車で、帰りましょう」 
「了解っす」 
 
 ホームを少し歩きながら待っていると、電車はすぐに到着した。混んではいるが、先程に比べたら全然マシだ。乗り込んだ車内。信二は、今度こそ楠原と離れぬようそっと距離を詰めた。