ivory 後編 明るい外の陽射しが窓からさし込む教室。日が昇りきっていない今はまだ午前中だった。椎堂は、昔の自分を思い出しながら、やれやれと肩を落とす。今は自分が白衣を着ている側で、初恋の実習生と年齢もほぼ同じになってい […]好き
ivory 前編 高校二年の夏、照りつける太陽のせいで汗ばんだ制服のYシャツの釦を二つほど開けて三階の廊下を足早に歩く。 参考書の入った重い鞄は細い肩に食い込み気味だが、そんな事は気にならなかった。実験準備室の鍵を握り […]好き