俺の男に手を出すな6-19・epilog

GAME -19-     *     *     *       楠原が戻ってきたことで店への客足が多く、今夜はいつにも増して盛況だった。   時間で入れ替わるローテーションの合間に裏で休憩を挟む余裕もない。 […]

俺の男に手を出すな6-18

GAME -18-        完全に元通り動けるようになるまで一ヶ月。   佐伯との約束を守り、朝になって行った病院で言い渡された結果である。信二はその言葉を聞いてがっくりと肩を落とした。     正直体力 […]

俺の男に手を出すな6-17

GAME -17-       *     *     *       晶達が帰ってから一時間。   長かった一日の終焉は静寂に充ちていた。     隣で眠る信二が静かな寝息を立てているのを、楠原はずっと見続け […]

俺の男に手を出すな6-16

GAME -16-          鼓動が不規則に乱れ打ち、喉が締まる。   楠原は信二の傷へと恐る恐る手を伸ばし、信二の血塗れの手の上へと重ねた。     一瞬にして、先程のこ […]

俺の男に手を出すな6-15

GAME -15-       *     *     *       嵐では困るが、予想外に大雨になった事は、楠原にとっては幸いだった。   出来るだけ姿を隠したい人間にとって、雨の日は好都合である。   ホ […]

俺の男に手を出すな6-14

GAME -14-     ――次の日の朝。   適当に閉めていたカーテンの隙間からうっすらと陽射しが差し込む。弱いそれは部屋全体を照らせる力も無い。   昨日から降り続く雨は、やや雨脚を強め、朝に見た天気予報 […]

俺の男に手を出すな6-13

GAME -13-      朝だけは晴れていた物の徐々に雲が多くなり、店の最寄り駅に着く頃にはすっかり暗くなっていた。   どんよりと垂れ下がった雲は、含んだ水分を今にも地上に落としそうである。湿気 […]

俺の男に手を出すな6-12

GAME -12-      最初に異変に気がついたのは、その雪の日から二週間ほど前の事だった。   変わらない日常が少しずつ歪んでいる事にすら、この時はまだ気付いていなかった。背後の席で接客をする幸大の声を聞 […]

俺の男に手を出すな6-11

GAME -11-         *    *    *    ――ここか……。     近代的な建築物は一見図書館には見えず、壁にある不規則に並んだ硝子窓は美術館のようでもある。   信二は眩しさに目を眇め […]

俺の男に手を出すな6-10

GAME -10-      大通りを歩いて居酒屋に向かう途中、街の様子を眺めて信二は思う。この界隈は前にいた麻布とは全く違うなと……。   相席Loungeを名乗る店から出てくる、明らかに未成年の女の子と会社 […]