俺の男に手を出すな6-9
GAME -9- 昨日は、どうやって家に帰ったのかも分からないほどに混乱していた。 帰りのタクシーに乗って自宅に帰り鍵を開ける。電気を付ける。靴を脱ぐ。見慣れた自分の部屋にあがる。溜め息 […]
俺の男に手を出すな6-8
GAME -8- 信二とは逆方に足を向けて、楠原は通りを歩いた。 振り向いたら、もしかして信二がまだこちらを見ているのではないか……。僅かに期待しては、そんな事を考えているらしくない自分に胸の内で […]
俺の男に手を出すな6-7
GAME -7- たった数ヶ月、学生時代の友人なんて年単位で会わないこともあるというのに、環境ごと変わったせいなのか、一次会での顔ぶれに酷く懐かしさを感じた。玖珂や坂下。六本木店からは康生と仲の良いホ […]
俺の男に手を出すな6-6
GAME -6- 新宿の街にはそう詳しくない信二が康生に連れて行かれたのは、奥の奥のさらに奥。 怪しい店しか集まっていないような裏通り。そこを抜けると、口紅を象ったネオンサインに重ねて『l […]
俺の男に手を出すな6-5
GAME -5- 寝床に入ったら五分で就寝。 某国民的アニメの主人公顔負けの寝付きの良さは昔からである。思い悩んで寝不足等の経験も覚えている限りない。……だというのに、昨夜は中々寝付けなかった。 […]
俺の男に手を出すな6-4
GAME -4- ガーリックとハーブで香り付けされているたっぷりのオリーブオイル。 それが満たされた鍋が目の前に運び込まれ、卓上のコンロに火がともる。野菜を中心とした具材に、大きめのベー […]
俺の男に手を出すな6-3
GAME -3- ――あれから二週間が経った。 二週間前の夜、楠原と二人きりで交わした会話。冷たい彼の手を温めることに必死だった事。思い出すと急に恥ずかしくなって、信二はその夜一人で頭を抱えた。 […]
俺の男に手を出すな6-2
GAME -2- 店がクローズの時間になり、ラストソングが店内にかかる。 今日のラストソングは洋楽で、よく聴く曲だがタイトルはわからなかった。確か相当古い曲だったはずだ。アンプラグドのバラードはど […]
俺の男に手を出すな6-1
GAME -1- ホストになってすぐに出会った晶は、信二の憧れであり、恩師でもある。店を変わった今でもそれは変わらない。だけど、いつからだろうか。それだけではない気持ちを感じるようになったのは……。 […]
俺の男に手を出すな6-0
prologue ――身だしなみは爪先から。あまり爪が伸びているのも清潔感がないし、深爪はそれだけで神経質な印象を与える。 ゴウゴウという音を耳にしながら爪先を何度か指でなぞり、その感触を確か […]