WILDLUCK16

  ──RIFF 16        「……アンディ」  「将来のロックスターを自分の手で育ててるんだ。最高にクールな仕事だろ?」     ニールは、言葉を詰まらせて写真を見ながら頷いた。写 […]

WILDLUCK15

  ──RIFF 15         観光客があまり使用しないそのホテルは、ホテルと言うよりモーテルに近い。築年数が経っていそうな、パブリックスペース込みのフロント建物。細長い駐車場を囲むように部屋が並んでおり、カウン […]

WILDLUCK14

  ──RIFF 14         マットは番号を変えておらず、後日無事に連絡を取ることが出来た。   今までのことを謝り、一度会って話せないかと持ちかけたニールは、電話越しのマットの声にそっと眉を顰めた。 […]

WILDLUCK13

  ──RIFF 13         命は取り留めた物の、事故があった日から三日間アンディの意識は戻らなかった。自分がもし彼の立場だったなら、そのまま目が覚めない方が幸せだったのではと思うほどの現実。   回 […]

WILDLUCK12

  ──RIFF 12         まだ十代だった頃、初めてのギターをマットと二人で買いに行った時の事だ。     バイトで貯めた金の全てをつぎ込んで互いに憧れのギターを買い、マットの家のガレージ […]

WILDLUCK11

  ──RIFF 11        ――十分前   噎せ返るようなライブハウスの熱気。客席のボルテージは最高潮に達していた。   今夜のステージの出来に満足しつつ、ラストの曲に向かう。ニールの表情に […]

WILDLUCK10

  ──RIFF 10       ステージ袖に到着すると、すでに観客の沸き立つ声が聞こえてきた。   ニール達がそれぞれ自分達の楽器の最終確認をしていると、RIPのメンバーが「今日は宜しくお願いします」と軽く挨拶をして […]

WILDLUCK9

  ──RIFF 9       近寄ってみると、クリスは首が動かなくなったように俯いており、トミーがしきりに励ましているようだ。    「どうした? そんな葬式帰りみてぇな顔して」  &n […]

WILDLUCK8

  ──RIFF 8       トミーと二人きりで飲みに行くのは初めてだ。   落ち込んでいる自分を励まそうとしてくれたトミーの気持ちは嬉しい。   それに、今夜は少し酒でも飲まないと緊張 […]

WILDLUCK7

  ──RIFF 7       最後にもう一度セットリストを最初から通すことになっていて、それが終わったら全ての準備が完了という予定だ。   先程までくだらない冗談を言って笑い合っていた全員の顔が引 […]