WILDLUCK26

──epilog        *     *     *    ――あ……、そうだ。あれ、鞄に入れたままだった。     ライブ後一度車を置きに帰り、打ち上げをしていた店に遅れて顔を出したニールからCDを受け取ったのだ […]

WILDLUCK25

  ──RIFF 25         セットリストは最後の曲を残すのみ。     ライブハウスの外はコートが必要なほど冷えているだろうが、ここは真逆だ。ステージを照らす照明と観客の熱気にあてられて皆 […]

WILDLUCK24

  ──RIFF 24               *     *     *     WILD LUCKの記念すべき初ライブの日   気温はぐんと低かったが晴れ渡った空には雲ひと […]

WILDLUCK23

  ──RIFF 23         新しいバンド結成を皆で祝った日から一週間。     今日は新しいバンドになって初めてのバンド練習の日である。SHOUT&LOUDに向かいながら歩いていると、ずっと先にトミー […]

WILDLUCK22

  ──RIFF 22        「クリス、お前視力いくつあるんだ?」  「俺? あー……えっと、……どうかなぁ。最近は測ってないけど、目はいい方だよ」  「へぇ、『いい方』ね」     クリスはニールのその問いの意 […]

WILDLUCK21

  ──RIFF 21         先にこちらにやってきたスティーブンにトミーが声をかける。    「遅かったなスティーブン」  「時間通りだ。トミーが早いだけだろ」     スティーブンはトミーの横に腰を下ろしなが […]

WILDLUCK20

  ──RIFF 20         目まぐるしく過ぎ去ったマットの件が落ち着いてすぐ、世間はクリスマスシーズンに突入していた。   町中のどの店もクリスマス商戦真っ只中で、そのアピールの凄さと言ったらない。明らかに供 […]

WILDLUCK19

  ──RIFF 19         マットの叔父に当たる人物から電話があり、葬儀の日程を知らされたのは翌日の夜。   滅多に出番のないダークスーツは、どこにしまったかの記憶も薄らいでいた。同年代の、しかもこ […]

WILDLUCK18

  ──RIFF 18         警察官は犯罪者をつかまえ、市民を守るために居る。   それは正解ではあるが、不正解の部分もある。何が不正解かって、全市民ではないって所だ。”善良な&#8221 […]

WILDLUCK17

  ──RIFF 17         ショックを受けている様子のクリスに返事できないまま、ニールは脱力したように背もたれに背を預けた。何がどうしてこうなっているのか。なにもかも、わからなかった。  &nbsp […]